体験ネットワークについて |
地域の概要
東松島市宮戸地区は日本三景松島の外洋部にあたり、松島湾内最大の島で、現在は橋が架かって陸続きになっています。この地は特別名勝松島、国史跡里浜貝塚、国指定重要無形文化財「えんずのわり」、日本三大渓嵯峨渓と、豊かな自然と史跡、伝統文化に囲まれた地区です。
温暖な気候のため東北の伊豆とも呼ばれ、旅館、民宿を中心とした観光業と漁業がこの地域の中心の産業です。
設立の経緯
観光ニーズがレジャー型から、体験型に移行しつつある中、平成6年に国による農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律の制定により、グリーン・ツーリズムが推進され、奥松島地区としてその変化に対応する必要性を認識し検討を重ねてきました。これまで個々に対応してきた体験型観光でしたが、グリーン・ツーリズム対応出来るネットワークが必要との認識に立ち、東松島市、東松島観光協会、地域観光業者3者による設立が検討され、東松島市観光協会総会において設立が承認され、その後以下の経過をたどっています。
平成14年5月 東松島市観光協会総会で設立承認
平成14年9月 (財)都市農山漁村交流活性化機構のグリーン・ツーリズムインストラクター育成講座に6名受講
平成15年2月 奥松島体験ネットワーク設立総会
平成15年3月 東北運輸局に人の輸送をする不定期航路事業の届出
平成15年7月 グリーン・ツーリズムエスコーター育成講座に3名受講
平成16年2月 グリーン・ツーリズムエスコーター育成講座に3名受講
平成16年9月 グリーン・ツーリズムコーデネーター育成講座に1名受講
平成20年3月 グリーン・ツーリズムエスコーター育成講座に15名受講
平成21年5月 東北運輸局に人の輸送をする不定期航路事業の届出
平成22年11月 自然体験活動指導者研修会に7名受講
平成23年12月 グリーン・ツーリズムインストラクター育成講座に4名受講
現在に至ります。
目的・組織
奥松島の有する農林漁業や観光資源と、伝統文化を有機的に組み合わせた複合型産業を創出し、都市との交流人口増大に努め、産業経済の振興を図ることを目的にし、会員は会の趣旨に賛同し、体験を提供できる者で組織しています。
地域の特徴
東松島市宮戸は、内湾の松島湾と外洋の太平洋の双方に面した地域です。漁業体験を行うにあたってはこの特徴的な地形を活かし、体験メニューを豊富に取り揃えています。また近隣に仙台や松島の観光地があることは、今後の連携も含め、お客様にご満足頂けるものと思います。
交流体験の取組事例
設立後、受け入れ体制の整備に力を入れ、(社)全国農協観光協会主催による「漁村の浜暮らし」として3泊4日の漁業体験プランを、平成15年から18年まで4年にわたり受け入れしてきました。さらにJR東日本と松島のホテルとの連携により、平成15年から17年まで受け入れを行ってきました。
更に、毎年旅行会社や小中学校からの問い合わせがあり、年々確実に取り組み実績が増加しています。その概要は、平成15年317名、平成16年897名、平成17年990名、平成18年1,057名、平成19年1,420名、平成20年2,256名、平成21年2,300名で、平成22年は3,000名を超えました。平成23年は震災により活動を停止せざるを得なくなりました。
平成31年(令和元年)度は約300名を受け入れました。震災前と比較して10分の1ほどまでの戻り具合ですが、東京オリンピックの開催、インバウンドを含めた教育旅行、震災伝承などを売りに奥松島に人が戻ってくるよう活動を続けてまいります。
さいごに
奥松島地域の取り組みは、19年目に入りました。これまでの歩みは緩やかではありますが、確実に成果をあげておりました。東日本大震災ではその全てを流失してしまいましたが、これまで培ったものは失っておりません。そんな中、何とか仮復旧し活動を再開しました。地域の活性化のために奥松島体験ネットワークの地道な活動を、今後とも継続していきたいと思っております。